当院の病児・病後児保育室は、まもなく6周年を迎えます。お陰様で大事なくこの6年間を過ごすことが出来ました。江東区の委託事業として当初の定員は4人で、1歳以上の未就学児が対象でした。その後、保育課の方々と打ち合わせを重ね、生後7か月以降の乳児のお預かりを当院の病児保育室のみ試験的に実施し、その実績を基に生後7か月以降の乳児も正式にお預かりできることになりました。また、病気のお子さんを一人でも多くお預かりできるように、定員を6人に増員することを認めて頂き、さらに、この4月からは定員は10人となりました。幸いなことに、当院の病児保育室は最初から広く、かつ、仕切って使えるように設計されていたため、このような増員が可能でした。定員や対象の拡大により、子育て支援の幅が広がったことは、当院が当初から目指していたものであり、感慨深いものがあります。

当院の成り立ちや、病児保育のあゆみについて受けたインタビュー記事がありますので、ご興味のある方は参照して下さい。

ドクターズファイル「こどもみらい大島クリニック」

●委託事業における(病児)病後児保育室の問題点

当院を含め自治体委託事業の(病児)病後児保育施設が江東区には4か所あります。オフシーズンを別にすれば、少なくとも医療機関併設型の施設では、連日予約枠は全て埋まってしまい、同数あるいはそれ以上のキャンセル待ちが発生します。にもかかわらず、この事業の施設利用割合は医療機関併設型の施設でも平均して定員の半数をやや超える程度に留まります。その理由は何故か、予約者から大量のキャンセルが発生するためです。一方、キャンセル待ちの方は、利用当日には既に他で対処していることが多いため、結局利用することは少なく、その結果、実際の利用者は定員を大きく割ってしまうことになります。

●(病児)病後児保育室の利用者にお願いしたいこと

キャンセルを減らす対策についてこれまで保育課の方々と共に検討して参りました。「少額のキャンセル料を徴収する」、「一定期間利用できないようにする」など、やや強硬ながら効果のあると思われる方法も含めて検討しましたが、委託事業としては馴染まないようで、導入に至っておりません。

現状としては、利用者の方々に、キャンセルになりそうな予約は控えて頂くようお願いするしかないのが正直なところです。

当院は城東地区に位置しておりますが、(病児)病後児保育施設を利用される方は、豊洲や有明といった遠方の湾岸地域からも来られます。区の(病児)病後児保育施設は、区民のための社会インフラであることから、真に必要な人が、必要なときに利用できるよう、お互いにキャンセルにならないようにご利用頂くようご協力頂けましたら幸いです。

最後に、開室6周年を迎えるに当たり、開室の約1年前から本日に至るまで、江東区保育課の皆様方には大変ご尽力を賜りました。深謝いたします。

こどもみらいクリニック

院長 齋藤 勇

※この6月に、当院の姉妹クリニックである晴海トリトン夢未来クリニックにも「病児病後児保育室ゆめみらい」が併設されることになりました。中央区で聖路加国際病院附属保育所 聖路加ナーサリーに続いての病児・病後児保育室となります。こちらでも子育て支援の実を上げていくよう努力して参ります。