当院では、就学前の幼児(4歳~小学校入学前の幼児)およびDTⅡ期の時期(11-12歳)の小学生への3種混合ワクチン(DPT)の接種を推奨しています。
現在のわが国の定期予防接種では、百日咳に対する予防が、主に1歳頃に接種されるⅠ期追加接種で終了します。そのため小学校入学前に百日咳ワクチンの抗体が低下することが知られており、WHOではこの時期に百日咳ワクチンの接種を推奨しております(①)。また、海外のみならず日本においても小学校高学年以上の年長者や大人の百日咳患者が増えていることもあり、定期接種であるDTⅡ期の時期(11-12歳)にDT2種混合ワクチンに代えて百日咳ワクチンを含んだDPT3種混合ワクチンを推奨する考え方もあります(②)。これらの①および②の接種は、いずれもわが国でも導入が検討されているところですが(国では、②の定期接種化を優先で検討されているようです)、現状では定期接種化されていないため接種する人が少なく、社会的にも個人としても百日咳に感染・発症するリスクがあります。
これら2つの時期(①および②)のDPT(3種混合)ワクチン接種は、百日咳を予防するために必要なワクチンであるとの認識より、当院では積極勧奨をしています。海外の状況を見ても、これらの接種は、むしろ国際標準となりつつあると考えます。
米国CDCのワクチンスケジュール WHOのワクチンスケジュール
わが国でも「VPDの会」等の、ワクチンによる病気の予防に積極的な団体から推奨されています。
これらのDTP3種混合ワクチンの接種は任意接種であるため、費用が発生しますが、ご希望の方は、当院で対応しておりますのでお問い合わせ下さい。
なお、②の場合は、原則として、定期接種である2種混合ワクチンDTを接種せず、任意接種である3種混合ワクチンDPTに代えて接種することになります。(もちろん希望する方には、定期接種のDTⅡ期の接種は従来通り実施しています。)
文責 院長 齋藤 勇