風邪(感冒)

風邪(感冒)について

風邪(感冒)は咳、鼻水、喉の痛みなどの症状がでるウィルス感染症の代表であり、発熱の原因としても頻度が高いものです。
ほかの多くのウィルス感染症と同様に、直接の治療法はありませんが、ほとんどは患者本人の免疫力で自然に治癒してゆくものです。
いわゆる「風邪薬」はその治癒までの経過を過ごしやすく、症状を緩和するための治療(対症療法)ということになります。
抗生物質は細菌に対する薬ですので、風邪などのウィルス感染症には原則として使用しません。
しかし、ウィルスが原因と考えられていても抗生剤を使いながら経過を見ていく方がよいと考えられる状況もありますので、個々の事例については医師とよくご相談下さい。

近年、日本では抗生物質を使いすぎることによる耐性菌の問題が、批判的に取りざたされています。
実際に、2011年に流行したマイコプラズマ感染症は、もっとも有効であるマクロラド系の抗生剤でも80%くらい(報告によります)が、抗生剤が効かない耐性菌であるといわれています。
風邪症状がある場合に、たとえ発熱があったとしても毎度のように抗生剤を使うようなことは当院ではお勧めしておりません。

風邪と診断されていても、その後気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、熱を含めた症状の経過をしっかり観察することが重要です。